人を殺す狂気と恐怖から逃げる狂気
祇園での暴走事故の記憶が新しいうちに大阪でも暴走事件が起きた。若い男がレンタカーで狭い商店街を猛スピードで走り抜けたこの事件は防犯カメラの映像が繰り返し流された。多くの人は「また暴走?似たようなキチガイの犯行だろう」と思われたろうが二つの事件は全く異なっている。
大阪の事件は脱法ハーブの作用と報道されている。麻薬の原料と似たような成分を含む植物がネットなどで裏取引されているのだ。当然のことながら人によっては幻覚などの副作用が強く現れることがある。「誰かに追われているような恐怖に襲われて逃げた」と証言していることから「せん妄」と呼ばれる半錯乱状態だった事が窺える。この状態は息子が錯乱を起こした翌日の状態とほぼ同じで、ある程度の状況判断は可能であるものの精神状態は錯乱している。暴力などふるったことのない息子がこの時母親の首を本気で締めたのだ。つまり車の運転などはある程度可能だが精神状態は「人」ではないということである。
これは一時的な症状であって薬が抜ければ収まる直接の副作用だ。この時の記憶は明確なものは残らない。私の推論ではこの症状から「感情の幼児化」に移行することになるがそれはとりあえず別の機会に触れることにしよう。
この事件の場合は「追われる恐怖」から逃れるため走ったのであって誰かを跳ねたり殺したりする事が目的ではない。従って人がいたかどうかもはっきり記憶してはいないし自分が死ぬことも目的としていない。
対して祇園の暴走事件は「誰かを殺す事」と「自分が死ぬ事」を目的とした事件である。一時的な同じ錯乱状態である可能性も捨てきれないが、急に薬の量を極端に増やしたりしない限り錯乱の起こる可能性は低い。抗てんかん薬の副作用によって感前頭葉が萎縮し幼児化した感情がそれ以前の「負の記憶」と幼児化してからの「負の感情」をコントロールする事が出来ず破滅的行動に突き進む「キチガイ」「サイコパス」が形成されてしまったと考えるべきだろう。この副作用はいつもと同じ薬を飲んでいても突然発症する可能性があり、また以前に発症していて「負の記憶」が積み重ねられて暴走に至る可能性もある。
てんかんを持っていただけ、ほんの少し心が弱いだけの人間を精神科で処方される「たった一粒の薬」が「キチガイ」「サイコパス」へ変貌させていく恐怖を誰も知らない。
息子に起きた詳細な記録と考察は下記を参照してほしい。
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