年末の朝日新聞に「中年の引きこもり」の特集記事があった。

子どもや思春期のものと思われていた「引きこもり」が40代以上になっても解消しない例が増えていて老いた親を悩ませる現実が綴られていた。私の身近にも中年の引きこもりは驚くほど多い。全く家の外に出ないタイプから買い物や遊びくらいは出かけるが仕事はできないというタイプまで様々だが、確かに昔はそれほど多くはなかったように思う。

なぜ引きこもりは増えたのだろう?子どもの不登校・引きこもりが増えていることは間違いないのだから社会構造の変化が原因なのだろうか?

息子にも引きこもりの時期があった。中学にはほとんど通うことなく専門高校も休みがちだった。その原因はストレスではなく何と精神科で処方された「抗不安薬」だったのだ。

ストレスで発症した神経発作を抑える為に処方されたのだが、薬を飲んだ直後錯乱を起こし、その後まるで別人のように性格が変わり果てた。解離性障害や動物虐待・暴力など、けして薬を飲む前にはあり得なかった精神病の症状とともに極端な「引きこもり」となった。好奇心旺盛で誰にでも話しかけ、物怖じしない性格だったのに、見知らぬ人のいる所、初めて行く場所へ行くことを頑なに拒むようになった。その傾向は長い間続き、10年経ってようやくアルバイトをするようになった今でも尾を引いているように思える。精神科医は引きこもりを治せないどころか「作り出している」のだ。中年の引きこもりの経過を調査すれば多くの方が精神科の通院経験者であることがわかるだろう。もちろん自然に発生することも否定しない。その原因はもちろんストレスである。

お子さんがストレスで引きこもりになったら皆さんはどうするだろう?まずは学校の先生に相談して説得を試みるだろうが、それで解決しない場合は「精神科」に行くことを勧められるだろう。「心の病気」を治すはずのお医者さんである「精神科医」なら治せるかもしれないと思うはずだ。精神科医は引きこもりの原因が「対人不安」であると考えている。誰かと接触することで傷つくことを恐れて外に出られなくなってしまうということだ。したがって不安を無くす「抗不安薬」を処方すれば改善すると思い込んでいるし、教科書にもそう書いてある。立派な大学を出ているにも関わらずこれがとんでもない「勘違い」だということに誰も気付こうともしないのだから困ったものだ。

引きこもりの原因はストレスには違いないのだが、実は「不安」によるものではなく不安を乗り越えて行動するための「好奇心」や「精神力」「行動力」が失われてしまうことにある。ストレスがそれを失わせてしまうメカニズムが「シナプスの刈込」という現象である。これは理性や良心、愛情や人格という「前向き」な感情を司る前頭葉に形成された複雑な神経回路であるシナプスを「消去」してしまう不思議な脳のプログラムである。ストレスから身を守るためのシステムが過剰に働くことで起きるのだが、シナプスの形成によって養われた「精神力」が萎縮し幼児や赤ん坊並みになってしまうことが引きこもりの本当の原因なのだ。幼児の頃に「人見知り」が激しいことは誰でも知っている。その状態に「戻って」しまうことが「引きこもり」を生むのだ。

このシナプスの刈込を行う物質が「GABA」という沈静性情報伝達物質だということが東大大学院の研究によって明らかになっている。このGABAは実は「抗不安薬」に他ならないのだ。引きこもりはストレスによって過剰分泌される自前の抗不安薬GABAによる「抗不安作用」がもたらす現象で、この症状が進むと「統合失調症」が発症する。抗不安薬作用で起きている引きこもりに「抗不安薬」を処方すれば当然「悪化」する。こんな簡単なことに精神科医は気付こうとしなかった。多くの中年引きこもりは思春期に抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬・中枢神経刺激薬などGABAの過剰分泌を促す精神科の薬を処方され悪化した結果なのだ。

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引きこもりは治る。必要なものは薬ではなく長い時間と知識、そして家族の愛情である。

詳細は下記を参照してほしい。

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