佐世保同級生殺害事件の犯人である少女の父親が自殺した。

死んで詫びることが「美徳」、人を殺したら死刑が「当然」とされる野蛮なこの国では「当然」だと思う方も少なくないだろう。詫びるという意味もあるだろうが、これからどうやって生きて行くすべがあるのか、ということなのだろう。「人殺しを作った父親」としてマスコミやネットで実名、顔写真付きで非難され続けても生きる道を選ぶことは困難だろう。もし私が同じ立場だったら同じことを選ぶしかないとも思う。

しかし、本当にこの父親が死んで詫びなければならないほどの罪を犯したのだろうか?確かに父親として褒められるべき行動をとっては来なかったかも知れないがもっとひどい父親はいくらでもいる。父親がこうだったから子どもが「人殺し」になったなどという関連性は何も根拠がない。この父親はどこにでもいる普通の父親にしか過ぎない。

唯一の問題は少女が「まともじゃない」ということである。「人を殺してみたかった」と発言し、同級生を殺しバラバラにしても動揺すら見せず、事件の重大性を認識する事が出来ずに反省や後悔の言葉も全くない。16歳の高校生とは思えないその状況は何を示すのか?もちろん少女は先天性の知恵遅れでも自閉症でもない。だからこそ精神鑑定のために鑑定留置がなされているのだが、何が起きているのか精神科医には理解できない。

記憶(少なくとも小学6年生まで)や知識には全く問題がない。人を殺す事が犯罪だという知識も持っている。しかし「感情」はまるで幼児のようで理性や人格が全く存在していないとしか見えない。この状況を説明できる知識を精神科医は持っていないので「広範性発達障害」「アスペルガ―症候群」「行為障害」などという思い当たる病名を口にすることしかできない。

思春期の少年少女による重大な犯罪は少なくない。多感なこの時期に理不尽な親や社会に反抗しようとすることが事件に繋がる事は多い。しかしそこに「不可解な犯行」「意味不明な供述」というキーワードがつく事件が多いのはどうしてなのだろう。

福島県で起きた母親殺害事件、青森県で起きた一家殺害放火事件、神戸市で起きた連続児童殺傷事件、福岡県で起きた中学生による児童殺害事件、西鉄バスジャック事件、寝屋川市で起きた教師殺害事件・・・「不可解な犯行」「意味不明な供述」のあてはまる事件にはすべて「精神科」が関わっている。精神科に行くような人間だから事件を起こした・・・という考え方は全く見当違いである。なぜなら精神科に通うきっかけは軽い発達障害、引きこもり、適応障害、ストレス障害、うつ症状程度であって、精神科に通うまでは多少問題行動はあっても誰も「事件」は起こしていないからだ。

精神科に通うようになって急に性格が変わり「不可解」な事件を起こしている。精神科医は「それまでの精神疾患が悪化した」と発言するが、精神科医の治療を受けて抗不安薬や抗うつ薬を飲んでいるのになぜ急激に「悪化」するのか?何がどう悪化すると事件を起こしてしまうのか?誰一人まともな説明ができていない。過敏な精神を鎮めるはずの抗不安薬、うつ状態を改善するはずの抗うつ薬、精神科医の言う通りの効果があるのであれば事件に繋がるはずはない。

それでは何が起きるのか?抗不安薬が前頭葉の神経細胞を殺すことが明らかになっている。これは間接的ではあるがアルコール依存症の研究をしている大学教授が著書で明らかにしている「事実」である。これが「統合失調症」の症状であり、思春期に発症する確率が高く、さらにストレスによって何らかの精神疾患を発症していればほぼ100%発症・悪化する事は統合失調症のNMDA受容体仮説によって科学的に裏付けられている。最新の脳科学、統合失調症の研究に照らせば抗不安薬、抗うつ薬が統合失調症を発症・悪化させることは「当たり前」のことだということがわかる。何といっても薬の添付文書にその旨が記載してあるのだから。

前頭葉の神経細胞がアポトーシス(自殺現象)によって死滅する事で前頭葉は「初期化」される。理性、社会性、愛情、人格など人間を人間たらしめる「感情」が赤ん坊の状態に半永久的にリセットされるのである。赤ん坊の感情が正常な記憶や知識、欲望や本能をコントロールすることが出来なくなって事件を起こすのである。人間は欲望や本能を社会に適合できるようにブレーキをかけて制御する。それが「大人になる」ということであり、それができないのが子どもであり赤ん坊である。ブレーキを失った自動車、それが事件を起こした原因である。

精神科医が薬を処方しなければたとえ多少正確に問題があったとしてもこのような事件はけして起きなかった。父親はそのきっかけとなる問題を作ったにすぎない。

少女は薬を飲まずストレスの少ない環境で過ごす事ができれば数年後には人間の心を取り戻すことができる。一方で小学校の時の記憶は鮮明なのに少女は事件の事を思い出せなくなる。それがこの症状の特徴で赤ん坊の時のことを誰も覚えていないのと同じ事である。記憶の空白の中で起こした事件の十字架を背負って生きて行かなければならないこの少女の人生をあなたはどう考えるだろう。そしてさらに父親の死という重荷が加わった。この少女に生きて行くすべがあるのだろうか。この事件を起こし、この一家を破滅に導いた精神科医は何一つ罪を問われることなくのうのうと生きている。どうしてこの真実を誰も知ろうとしないのだろう。

この父親に事実を伝えるべく手を尽くしたが叶わなかった。事件には繋がらなかったが私の息子にも同じ事が起きた。一つ間違えば同じ立場になっていたであろうこの父親の無念さを思う時、この事実を認めようとしない精神科医、どんなに情報を提供しても動こうとマスコミの姿勢に怒りを禁じえない。

この事件が特別な事例ではない。精神科にお子さんを連れて行く親は誰でもこの父親と同じ立場になりうる可能性がある。私の息子が事件を起こさなかったのは運が良かったからにすぎない。

32才の娘さんを持つ方からメールをいただいた。11年前に被害妄想で精神科に行って以来、医者の言うとおりに薬を飲み続けたが悪化の一途をたどり、まるで幼児のような行動を繰り返しあきれた妹は家を出たのだそうだ。幼児のような行動は「統合失調症」であることを示す。なぜ医者の言うとおり11年も薬を飲み続けたのに「被害妄想」が「統合失調症」に悪化したのか?それは精神科医の言う事が間違っていて私の言う事が正しいからだ。この娘さんは事件は起こさなかったが、妹の飲み物に除草剤を入れるというような紙一重のことをしている。これはけして「性格が悪いから」ではない。薬を飲めば誰でもそうなってしまうのだ。幸いにしてこの方は私のホームページにたどり着き真実を知って断薬を決意された。回復を願うばかりである。娘さんと家族の11年の人生を奪った精神科医は自らの罪に気づこうともしない。

息子に起きた副作用の記録と考察は下記を参照してほしい

http://toshioy001.wix.com/tougou