統合失調症の息子さんを持つお母さんからメールをいただいた。

今通院している精神科医が薬を増やそうとするのでセカンドオピニオンを受けたいのだが医者を怒らせずに紹介状をもらうにはどうしたらよいか、というような内容だ。薬を飲むな、精神科に行くなと言っている私にどうしてこのような相談をするのかそもそもわからないのだが、たまたま出会ったサイトに藁にもすがる気持ちでメールしたのだろう。

くわしい経緯はわからないが23歳になるという息子さんは12歳の時に入院して以来11年薬を飲み続けているが治らないのだという。ドーパミン仮説による抗精神病薬による治療は症状を抑える「対症療法」だから基本的に「治らない」のは当たり前である。私は治らないどころか症状を悪化させ回復を遅らせていると考えている。私の息子は6年を経た今普通の人間に戻っていて、年齢並みの感情かというと難しいところはあるが、少なくとも統合失調症の面影はみじんも無い。単純比較はできないだろうが11年経って治らない方と6年経って治ったもの、どちらの治療法が正しいのだろうか?

しかし薬を飲まない、精神科に行かない、という選択肢を持てる方はほとんどいない。キチガイかバケモノのようになってしまった家族を抱えて医者に頼らずにどうすればいいんだと誰でも思う。熱が出れば病院に行く、骨折すれば病院に行く、それ以外の選択肢は新興宗教程度しかこの世界には存在していない。

私とて「薬を使う」という選択肢はなかったものの何が起きているのか、なぜ起きたのか、どうすればいいのか?という答えを求めてたくさんの病院を訪ねた。どこかに増しな医者はいないのかと探し続けていたのだ。しかし求める答えは得られず自分で調べるうちに息子は回復していき、すべての答えも出た。

何が起きているのか、どうすれば治るのか?家族は不さんで不安で仕方が無い。統合失調症と言われればキチガイになってしまったと落胆する。症状を抑えれば「マシな」生活ができると言われれば言うことを聴く以外の選択肢はないし、「専門家」であるはずの「先生」が言うことを覆す知識も持っている方はいない。誰に相談しても医者の言うことをよく聞いて言われたとおりにきちんと薬を飲むこと、という答え以外は帰ってこない。

しかしNMDA受容体仮説によってドーパミン仮説が誤りであることがほぼ確実になっている。もちろんこの仮説に基づく治療法も間違っているのは当然だ。この間違いが公になれば大スキャンダルになってしまうからNMDA受容体仮説が「仮説」のままなのだ。

しかしそのほころびはさまざまな所に現れている。ストレスによって起きる適応障害、不安障害、ひきこもり、うつ病などの精神疾患が「統合失調症」が誤診されているという事実、PTSDに抗不安薬は効かない、抗うつ薬が未成年には効かない、というような学会の発表がそれを示している。全く別の病気が誤診され、今まで「常識」「定説」とされていた治療法が「効果が無い」ことを自ら明らかにしているのだ。このいいかげんさは何なのだろう?私はこれらのことはNMDA受容体仮説に直接関連しこの仮説が正しいことを示していると考えている。いずれ「抗精神病薬」は回復の妨げになるので使わないように、という発表がされるはずである。つまりこれまでの精神科医療は「ほとんど」間違いだったということになる。

精神科に行くしかない、精神科を頼る以外にすべがなかった患者の家族は何を信じればいいのだろう?

このお母さんは教職員だと記載してある。立場は分からないが生徒を精神科医に送る立場でそういう教育を受けている。先生という職業は先生と名のつくものを疑うことをしない。一介の素人の言う「精神科医と手を切れば治る」という勧めを聞く選択肢は持っていないだろう。精神科医療が自らの非を認め「薬を飲まなくても治りますから安心してください」と患者の家族を救う立場になる以外に方法は無い。

精神科医の方々、専門家であれば私の理論が間違っていないことくらいわかるはずですよね?もう逃げ場はありません、早く謝罪された方が勝ち組になれますよ。

息子に起きた副作用の記録と考察は下記を参照していただきたい。

http://toshioy001.wix.com/tougou