千葉県柏市の連続通り魔事件で、逮捕された無職の容疑者(24)の不可解な言動、行動が話題になっている。曖昧な動機、つじつまの合わない行動、不可解な言動・・・。ネット上に残されたおぞましい主義主張。残念ながらとてもまともとは思えない。「頭がおかしい」「キチガイ」としか思えないがそうなれば「責任能力がない」ということになってしまう。人一人が死んでいるのだからそんなこと世間が許すはずが無いし、おかしいとは思っても「言葉が通じないほど」ではないし「心神耗弱」も考えられない、と考えるのは世間も精神科医も大して変わらない。もっともらしい病名をつけながら「責任能力はある」という結論は目に見えている。

 確かに自分の意思で犯行を企て実行に移し、さも目撃者のようにふるまい逮捕された時には「チェックメイト」とつぶやくなど推理小説に出てきそうな凶悪犯そのもので刑罰に処さない理由は見つからない。精神科に通院していたという報道も無い。

どこまで本当なのかはわからないがネット上に生い立ちなどが書き込まれている。複雑な家庭環境の中で歪んだ性格が作られていった様子、学校でも孤立し中学はほとんど行かず、動物虐待や武器への執着、少年院にも2度入ったこと、薬物の使用歴なども綴られている。知識や言語能力に関しては何の問題も感じられず「性格が悪い」ことが如実に窺える。この悪い性格に加えて、「仕事もしない」「社会的に孤立している」などという不満を社会に対する「復讐」という形でぶつける、このような事件の特徴的な側面が浮かび上がってくる。しかし、この症状が「性格」の問題ではなく「脳の病気」であることを専門家であるはずの精神科医ですら知らない。

この犯人は幼い頃から「ストレス」によって正常な「感情の発達」ができなかった。もちろんストレスがあってもすべての人間が歪んだ性格に育つわけでは無い。そこにはストレスに対する耐性という遺伝特性が関係している。ストレスを感じるとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールという物質が過剰に分泌され前頭葉や大脳辺縁系といった「感情」に関連する脳の部位を破壊することが知られていて、うつ病やさまざまな精神疾患の原因とされている。幼い時期に過剰なストレスにさらされるとこれらの脳の正常な発達が阻害され「幼児のままの感情」と年齢並みの「知識」が同居するちぐはぐな人間が形成されてしまうのもよく知られた事実である。この現象が起きる人間と起きない人間の違いはCOMT多型という遺伝特性だと考えられる。このタイプの人間はアルコールや抗不安薬など「抗不安作用」を持つ物質によって前頭葉が破壊されるのだ。アボリジニは飲酒によって暴力事件や犯罪が多発していることから法律で飲酒が禁止されている。この現象はアルコールによる酩酊やアル中によるものではない。ストレスによっても同じ現象が起きる。
 ストレスも薬物も同じように精神疾患だけでなく暴力や犯罪の原因となりうるということなのだ。この現象は前頭葉が萎縮することによって感情(理性、社会性、人格、愛情)を幼児や赤ん坊の状態に一時的、あるいは半永久的にリセットする。正常な知識・記憶、欲望や本能をコントロールすることが出来なくなって暴力や犯罪を引き起こす。この現象には遺伝子に刻まれた生物としての「生存本能」が関係している可能性が高い。これは一種の「統合失調症」である。
 この病気の詳細を「精神科医」は知らない。その理由は欧米から輸入された精神科医療の体系に人種による遺伝特性は考慮されていないからだ。理由付けが難しい症状に適当な名前をつけて「責任能力はある」と精神鑑定を下すのだ。
 いくら性格が悪くても普通は逮捕されて懲役や死刑になることは望まない。しかし、この犯人はむしろ逮捕されることを望んでいるかのようにふるまっている。この症状が通り魔など凶悪犯罪と結びつくためには強いストレスの継続が必要である。秋葉原事件でもさまざまなストレスに加えてネット投稿サイトでのトラブルで強いストレス状態に置かれた後犯行に至っている。強いストレスが前頭葉を破壊し完全に理性を失うことによって引き起こされる現象であり、これは半永久的な現象なので以前とは全く違う性格が固定されてしまい逮捕後も以前の状態に戻ることはなく罪を認識することも反省することもできない。刑罰は犯罪の抑止とともに反省を促す措置であるがこのような犯人には何の意味も持たず死刑さえ恐れることも無い。

ただ今回の事件には「薬物使用」が関係している。事件時に使用したわけではないが薬物は強いストレス状態を引き起こし通常のストレスとは比べ物にならない脳の破壊を引き起こす。これは半永久的症状であるから使用が何年前でも犯罪と結びつく。動物虐待やおぞましい妄想があっても直接実際の犯罪につながるものではない。「そういう行為がエスカレートして事件に至った」という筋書きはもっともらしいが一線を超えるには脳をさらに破壊し「キチガイ」にするきっかけが必要なのだ。そのきっかけが「強いストレス」「薬物」そして抗うつ薬や抗不安薬といった「精神科の薬」である。そのすべてが脳に同じ作用をもたらし「異常性格者」を作り出す。その根本原因が遺伝特性なのだ。

ストレスがこの世からなくなることはない。不幸な生い立ちが歪んだ性格を生み薬物がそれを悪化させたとしても自分の責任であることは否定できないし刑をまぬがれることもできないだろう。しかし、犯人をたとえ極刑に処してもこの種の事件は減ることはない。この病気を理解し、研究して発症を防ぐ手段を探るしか方法は無い。そして薬物と精神科の薬による副作用だけでも減らせば事件が激減することだけは確かだ。一番大切なことは次の犠牲者を出さないこと、それ以外にない。

息子に起きたこの副作用の記録と考察は下記を参照してほしい(一部未更新)

http://toshioy001.wix.com/tougou