「心は5歳、脳と体は23歳」これは抗うつ薬によって作られたモンスターだ


2005
年12月に起きた現役大学生塾講師が小学六年の女児を包丁で刺殺した事件である。

女児の母親が塾に講師との関係が上手く行っていないと繰り返し相談した結果、犯人の講師が担当する国語の授業を受講させないことになったため、講師は女児に対して逆恨みの感情を抱くようになった。

犯行当日、講師は模擬試験の監督を外されていたが、包丁とハンマーを用意したうえで出勤し、模擬試験を受けに来た児童に「別室で国語のアンケートを取りたい」と言って退室を命じ、国語の授業を受けていない被害女児と2人になったところを包丁で刺殺。犯行後、警察に電話で自供し、駆け付けた警察官に現行犯で逮捕された。

大学内で窃盗行為を繰り返し他の学生の財布を盗み、窃盗と傷害罪で有罪判決を受けた前科があり、停学処分中であった。

講師は幼少期に厳格な環境で育ち、菓子やテレビゲームを与えられず、男女交際を禁止されていたと言われ、その結果学業こそ優秀であったが、思春期以降に反動により親に対して家庭内暴力を振るうなど横暴な性格を見せ、コミュニケーション能力に乏しい傾向があったとみられる。精神科医は「(被告は)アスペルガー症候群で、犯行当時は反応性幻覚妄想障害に陥り、剣を持った被害者の像などの幻視があった」と証言。「生徒としての被害者に腹を立てただけでなく、幻覚に影響されたからこそ犯行に至った」と述べた。公判中の際にも突然、大声で「僕を殺してくれ!助けてくれ!」などとわめき出すなど、奇妙な言動が目立っていた。2007年懲役18年の判決を受けた。2009年控訴審の判決では、被告の心神耗弱状態を認定し懲役15年が言い渡された。

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この事件は謎に満ちている。犯人は「(女児が)この世からいなくならなければ、生きていけないと思った」「このままでは塾での立場を失い、就職の道が閉ざされると思った」などと供述していたというが、実際の殺害の方法と動機がまるで結びつかないのだ。

犯人は23歳の大学生である。自分を避けようとする女児に憎しみの感情を抱くとういうのはまあ百歩譲ってあったとしても殺意まで抱くかというのがまず疑問である。殺害に及んで発覚すれば将来が無くなることは明白である。さらに千歩譲って殺意があったとしても自らの犯行が露見しないように隠蔽を図るのが当然だろう。相手は小学生である。連れさったり殺そうと思えば方法はいくらでもあるし、証拠を極力残らないように配慮することも難しい事ではない。しかし彼は白昼堂々と、塾の教室で包丁を使って女児を殺害し、血まみれになりながら自ら警察に通報している。反応性幻覚妄想障害による犯行だというが事前に凶器を準備し計画的に犯行を行っているようにも思われるのはどうしてなのだろう。

ある精神科医は雑誌にに載せた「5歳になったピーターパン」という記事で「心は5歳、脳と体は23歳」と表現している。これは「感情の幼児化」の特徴そのもので、はっきり言うと5歳以下である。犯人は抗うつ薬フルボキサミン(商品名ルボックス、デプロメール)を服用していた。この薬の副作用により前頭葉が萎縮、感情記憶が消失し幼児か赤ん坊の状態にさせられたのだ。
錯乱、顕著な攻撃性というようなこれまで言われている抗うつ薬の副作用は当てはまらない。薬を止めているはずの公判中にも精神状態は変わらないから一時的な症状ではない。
すべての謎が「心は5歳、脳と体は23歳」という言葉で解けるのだ。精神科医はここまで気づいているのにそれが「自分たちが処方した」薬で起きているということを知らない。
幼児化した感情は幼児性愛を生み出す。小学生の女児に思いを寄せたのもそこからのものなのだろう。 


息子に起きたこの副作用の詳細な記録と考察は下記を参照してほしい。

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