また「人を殺してみたかった」という殺人事件が起きた。犯人は19歳の女子大生である。小学生の頃から人を殺してみたいと思っていた、高校の時に同級生に毒を盛った、薬品に興味を持っていた・・・この狂気は尋常のものではない。以前から凶器を用意するなど周到な計画性がある一方で事件を隠蔽することもないずさんさの目立つ犯行、「殺すのは誰でもよかった」というようなあいまいな動機、反省も後悔もなく淡々とした供述・・・すべてが佐世保で起きた事件と重なる。
幼少の頃のストレスが歪んだ性格を作り上げた、と多くの「専門家」は口にするだろう。けして間違いではないがこれは少なくとも「統合失調症」による典型的な事件である。
犯人の女子大生は「性同一性障害」だったと言われている。自分という人間の本質を自覚していく上で家族や社会とどれだけ大きなあつれきがあったかは想像に難くない。ストレスは前頭葉神経細胞を破壊し正常な感情の発達を阻害し、さらにはあるレベルまで成長したものを0歳以下の状態にリセットしてしまうプログラムが組まれている。これが「統合失調症」である。この症状は日本人に多い「ストレスに弱い遺伝特性」を持つ人に発症する。基本的にストレスが原因だが思春期、ストレス性疾患、アルコール、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、麻薬、覚せい剤などが発症率を急激に高める。これはすでに科学的に証明されている事実である。アレルギー反応のように本人にはどうする事もできない「生物」としての「適応エラー」なのだ。
知識や記憶は年齢並みなのにそれを統括する感情(人格、理性、社会性、愛情)が赤ん坊やそれ以下の状態というアンバランスが生まれる。さらに幻聴や妄想が「あり得ない」思考を作り出してしまうことによって「狂気」が生まれる。一度リセットされても赤ん坊を育てるような愛情に満ちた過程を経れば人間性が形成され「回復」するのだが、多くの場合さらなるストレスが歪みを拡大させてしまう。
少年法に守られて死刑にならないことをわかった上での犯行という方もいるが彼女にとっては死刑になろうが将来がなくなろうがそんなこと「どうでもよい」ことなのである。赤ん坊や幼児が将来のことを考えられないのと同じことでしかない。たとえ少年法を改正して死刑にしたところでこの種の事件を減らす結果にはつながらない。何が起きているのか何が「狂気」を生みだすのか、何度事件が繰り返されても精神科医も心理学者も本当のことに気づこうとしない。故意に隠蔽しているのかそれとも本当に「バカ」なのか?
今回の事件ではとりあえず精神科の関連は報道されていないので「自然発生の可能性が高い」としておこう。しかしこのような事件ではほとんどが抗不安薬(睡眠薬)や抗うつ薬の服用歴があることを申し添えておく。神戸連続児童殺傷事件のように過去の精神科通院が事件に繋がることも珍しいことではない。そこには明確な理論が存在する。
詳細は下記ホームページを参照してほしい。これはカルトでも妄想でもなく「科学的事実」である。
http://toshioy001.wix.com/tougou
それにしても少年法を無意味にしかねないネット上の暴走はいかがなものだろう。人殺しだから名前や顔写真は公開されても当然と言わんばかりの勝手な「正義」がまかり通る「野蛮さ」はこの国の未来を暗くしてしまわないだろうか。