ある医師の研究がパズルの最後のピースを埋めた!
驚くべきホームページを見つけた。北海道にある五稜郭クリニックの多田直人医師による「心のクリニック」だ。著作権を設定していらっしゃるので引用は控えるのでご参照いただきたい。
http://www.kokoro.info/index.html
注目すべきはその統合失調症に関する記述だ。
かいつまんで説明すると、うつ病患者の中に抗うつ薬を処方しても効果がない例があって、統合失調症の治療薬である抗精神病薬を処方したら症状が改善した。そのことに疑問を感じ精密検査した結果統合失調症と同じ「大脳前頭葉の萎縮」が確認されたというものである。つまりうつ病と診断される患者の中にかなりの割合で存在する「抗うつ薬」が効かない例は「統合失調症」を誤診しているということ。さらなる研究の結果「適応障害」「注意欠陥/多動性障害」「摂食障害」などの中にも大脳前頭葉の萎縮が見られる「統合失調症」が誤診されている例が存在するというものである。
これまでの精神科医療の常識を覆すこの研究結果は何を示すのか?
ほとんどの抗うつ薬、抗不安薬の添付文書には「脳の萎縮」や「統合失調症の患者が服用すると錯乱を起こす」と記載がある。錯乱は統合失調症の急性期に現れる症状である。要するに息子の発作は「統合失調症」の症状だったのにPTSDのようなものと誤診され「抗不安薬」が処方された結果、副作用によって極端に「悪化」したということなのだ。長い間疑問を持ち続け研究してきたことに100%の答えが出されたのだ。
そればかりではない。この医師はタミフルによる異常行動、自殺も「統合失調症」の症状だとしている。タミフルによる異常行動については早くから私も注目していて同じ遺伝特性を持っている人間に起きるのではないかと考えていた。
抗うつ薬の副作用による「自殺」に関しては新聞や週刊誌などでも取り上げられていて不可解な凶悪事件よりも関連性はよく知られているが、その原因についてはまだ定説とされるものは存在していない。この医師も「バカげた」理論として一蹴しているが「統合失調症」が「自殺」を招くという理論はかえって「副作用による自殺」を明確に裏付けてしまった。先に記した添付文書の内容からすれば大脳前頭葉が萎縮している患者に抗うつ薬や抗不安薬を処方すれば「統合失調症」が悪化する可能性があり、その結果自殺を招くということは否定できない「事実」ということになる。タミフルによる異常行動を認めながら添付文書に記載されているこの副作用を認めないということはあまりにも矛盾している。
妻が何度も自殺未遂を起こした時、確かに「うつ病が悪化した」というよりは「統合失調症」だったという方が理にかなっている。これまで抗うつ薬による自殺は「攻撃性が増す」という副作用とともに「脳内化学物質の異常」が原因とする見方が大勢だった。しかしつじつまの合わないその理論はかえって「副作用説」に不信感を抱かせるものでしかなかった。
もちろんそうはいっても発症率は1%以下とされているから取るに足らない見解ということになってしまうのだろうが、タミフルの異常行動が欧米で多発しているものではないことは調べればすぐにわかることだ。なぜ日本では社会問題化するほど多発したのか?その答えは統合失調症の障害調整生命年(wikipedia参照)を見れば明らかになる。モンゴロイド居住地域の値が高いことが容易に見て取れる。その中で日本だけが値が低いのはこの医師の言うように統合失調症が別の名前で「誤診」されることが多いことによるものだろう。精神科医療が「進んだ」国ではそういう傾向があると考えられる。
私が長い間研究してきたことも基本的に間違ってはいなかった。間違っていたのは息子の症状が統合失調症であることに気付かなかったこと、自殺の原因は脳内化学物質の異常によるものではないかとしてきた点だ。
結論。
適応障害、注意欠陥/多動性障害、摂食障害、PTSD、うつ病の中で前頭葉の萎縮が認められる例に抗不安薬、抗うつ薬を処方することは統合失調症を発症、悪化させ、自殺、凶悪事件など大きな危険が伴う。睡眠薬にも同様の危険がある。